耳の病気

耳の病気

ear_1主に耳は聴覚と平衡感覚をつかさどる役割を果たしています。外耳、中耳、内耳の3つに分けられ、音を脳に伝える役割を果たすだけでなく、内耳は体のバランス(平衡)を保つ役割を果たします。そのため「めまい」や「ふらつき」などの症状がある場合は耳の疾患が原因の場合もあります。
以下では、特に小児に多い中耳炎や外耳炎についてご説明いたします。

中耳炎

中耳炎の原因の多くは耳の穴からではなく、鼻や副鼻腔のトラブルと言われています。中耳は耳管で鼻の奥とつながっています。通常、中耳は耳管によって換気され中耳内を清潔に保っていますが、風邪などで鼻副鼻腔炎の症状が起きますと鼻の奥に膿が溜まり、その細菌が中耳に侵入してきて中耳炎になります。
小児に中耳炎が多い理由は、大人に比べ耳管が短く傾斜も緩やかな構造のために細菌やウィルスが侵入しやすくなっていると言われています。また、小児は耳管の近くにある扁桃腺の一種である『アデノイド』が大きく、耳管を圧迫するため中耳の換気が悪くなり、その結果中耳内の換気が正常な状態を保てなくなり、滲出性中耳炎になることがあります。
急性中耳炎に繰り返しかかると慢性中耳炎になる場合もありますので、ご注意ください。中耳内に膿がたまりすぎると鼓膜を破り『耳だれ』がでることがあります。耳だれがでた場合や耳に痛みを感じた場合はできるだけ早く『いいだ耳鼻咽喉科』へご相談ください。

外耳炎

耳の穴から鼓膜までのことを外耳道と呼び、その外耳道を耳掃除などで傷つけてしまいそこから細菌が侵入し感染を起こすと外耳炎になります。また、汚水や洗髪剤などが外耳道に入りそのままにしておくと炎症を起こす場合もあります。症状としては、耳を押したり引っ張ったりすると痛みが走り、耳の中が腫れたり耳だれがでたりします。腫れがひどくなると、聞こえにくくなったり、耳鳴りなどを生じたり痛みなどもともないます。

予防

耳あかは、たまりすぎると難聴などの原因にもなりますので良くありません。しかし外耳道の皮膚は非常に敏感であり傷つきやすいため、あまり頻繁に耳かきをしたり奥まで耳かきを入れたりしないようにしましょう。耳には、耳あかが自然に排出されるような働きもあるので、耳の入り口付近の耳あかを取るだけでも大丈夫です。

治療

外耳炎の治療は、まず外耳道の消毒処置や抗生物質の軟膏を塗ると自然に痛みも取れます。場合によっては抗生物質の服用をお勧めする場合があります。通常では10日間程度で治癒します。また、カビが生えた外耳真菌症になっている場合は、まず外耳内の耳あかやカビをキレイに掃除して軟膏を塗る治療を行います。このような治療で大抵の外耳道炎、外耳真菌症は治りますが、中には慢性になり数ヶ月も根気よく治療する必要があります。何事も早期発見・早期治療を心がけてください。